裁判官が持っているでっかいハンコ

印鑑イメージ

息子が数日前からずっと紙粘土で何かを作っている。一心不乱に。
ハンコ屋をやっている叔父の家にいってからずっと作っている。
ハンコ屋の叔父はちょうど仕事の最中で、印鑑を作成しているところだった。
と、言っても文字は既に彫り終わっており息子が見ていたのはその印鑑に飾りを彫り付けているところだった。黒水牛の印材に少しずつ慎重に。

依頼を受けた先の方が好きなウサギの模様。それを細やかに、繊細に彫り込んでいる最中だった。
立体で次第に現れるウサギのかたちは見ていて楽しい。
息子も恐らく楽しくて見ていたのだろうと思っていた。
が、どうやら息子は楽しくて見ていたというよりは、インスパイヤされていたようだ。
紙粘土の様子を見ていると、何だか手で持つような所と、恐らく紙に押す所の部分と思われる形が出来上がっている。
巨大ハンコを作るつもりのようだ。

しかしあの大きさ。テレビなどでみる裁判官が持っているでっかいハンコのような大きさだ。
一体あのでっかいハンコに何の字を付けるつもりなのか、面白そうなので正解は見ないで様子をみる事にした。
しかし印材に模様を刻み込む人たちの細かい作業を長時間続ける忍耐力は頭が下がる。

叔父も数日もくもくとウサギの絵をずっと刻み込み、それこそ寝るまもなく刻み込み製品を完成させたのだという。
一般職の自分には想像できない世界だ。それでも本人は達成感で満ち満ちている。

そして更に数日紙粘土製巨大ハンコはであがったようだった。
字面をみると巨大ハンコ面積を全部使ったでっかいでっかい息子の名前。
巨大ハンコではなく、巨大印鑑だった。これだけ立派なら、実印登録できるかもしれないと笑いながらハンコを手に取った所、持ち手に違和感。
何と持ち手にはウサギの形が紙粘土で作られていた。
芸術家肌の息子。この紙粘土巨大印鑑(実印)は、出来るだけ大きくなるまで取っておこうと思う。

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